フアイアについて調べている

中国の抗がん新薬「フアイア(Huaier)」は可能性がありそうな気がする

副作用の辛さに漢方の勧め【エビデンスはないが】

いろいろな方の闘病ブログを拝見している。

現在すでに病床にある方はもちろん、治療後、一生懸命生活していらっしゃるお姿などさまざまである。

治療が終わって、一応安心していい経過時間というものがある。胃がんや大腸がんでは5年再発がなければおめでとう、という感じ。それが乳がんだと10〜15年見なければならない。永い闘いだと感じ入っている。

手術前、ある程度がんが育ってしまっていたら、抗がん剤で手術できる大きさまで腫瘍を小さくすることが検討される。手術が終わっても、抗がん剤を内服する治療法がある。この副作用に苦しまれている方が少なくない。副作用を抑える西洋薬が同時に処方されるが、これがなかなか効かない、というか効いていたとしても、不快な副作用はほんの少しあっただけでも、気力体力を奪わせるものである。

副作用のよくあるものとして、全身症状としての、だるさ、食欲不振、低栄養、冷え、浮腫、不眠、不安。個別症状としては、標準治療によって起きるさまざまな副作用や後遺症としての摂食障害、下痢・便秘、口腔乾燥、更年期様症状、手足のしびれ、皮膚や爪の障害、難治性口内炎など様々だ。

そこで少しでもよくなりたいという方に試していただきたいのが漢方である。漢方といえば、効き目が穏やかなイメージや人によって効果があるなしがあったり、気休め程度、と思われている方が多そうだ。

しかし、実際に保険診療の一環として漢方を使われている病院は結構ある。下記のがん研有明病院しかり。

 

www.jfcr.or.jp

自分が考える漢方のメリットは以下の通りだ。

1・西洋医学では無理なものが、漢方でよくなることがある

2・健康保険で処方してもらえる

3・その薬価は西洋薬よりも安い

4・副作用がほとんどない

5・西洋薬と併用できる

6・他の漢方に詳しい医師にかかったとしても主治医を変更する必要がない

補足すると、

1については、西洋医学では症状そのものにアプローチしていくという考え方で、漢方は全身の状態をよくする、という考え方の違いによるものということが大きい。西洋薬では「無理なものは無理!」という判断をされてしまうが、漢方では「少し良くなるかもよ?」という出発点から始まり、そのうち何割からは「とても良くなった!」ということが結構あるのである。過度な期待はできないが、自分に合うものがある可能性がある。まだまだ希望が持てるのである。

2、3についてはその通り。病院処方のエキス剤は、本来煎じ薬や丸薬などである漢方を、煮出して煮詰めて糖類などで顆粒化している。いわばインスタントコーヒーのイメージである。これが街角にある漢方薬店に行ってオーダーメード(といいつつ既存処方そのままか、少々のアレンジ)で煎じ薬を作ってもらうと、月2〜3万円をゆうに超えてしまうから注意だ。漢方に詳しい西洋医によると、「7割は処方薬でOK。効き目も変わりない。処方薬をいくつか試してどうにも効果がないひとだけ、煎じ薬を試してみてはどうか」ということであった。

4の副作用。これも漢方にはほとんど認められない。マオウを取りすぎての胃の不調、ダイオウを取りすぎての下痢、カンゾウによる偽アルドステロン症、ブシによる動悸、不整脈、ほてりくらいなもので、漢方に詳しい医師であればそれらをじゅうぶんに検討して処方してくれる。

今処方されている西洋薬を止める必要はないし、主治医とは別の医師に漢方処方だけを依頼するのもOKだ。ただその場合は主治医に何を飲んでいるかぜひ話してほしい。

漢方のデメリットをあげるなら以下の通り。

1・がんの副作用に対する明確なエビデンスがない

2・合わないものは効かない

3・完全に副作用が抑えられることはあまり期待できない

漢方は西洋医学ができる前から、いろいろと生薬を組み合わせてみて体験の数を重ねて生み出されたものである。だから近現代の「エビデンス」という考え方をそもそも持っていない。それでもおかげさまで日本では明治〜大正〜昭和の時代を経て一度は絶滅しそうになった「和漢」が、関係者の努力によって生き残り保険処方されている。そしてそれを実際に使って良さを理解した医師が、エビデンスなど何処吹く風で使っているのである。もし他の民間代替医療を行なっているのであれば、西洋医が認める漢方をおすすめしたい。

そもそも当たる確率は3割くらいらしいので、西洋医は1〜2ヶ月処方してみて合わない人は薬をかえてみる、ということをする。当たっても完全に副作用が抑えられることはまずないが、「飲んでないときよりもラク」「良い感じがする」ということがあるので、メリットデメリットを検討していただいてどっちがよい話かということだと思う。もし我慢できるならそれまでのお悩み、ということだ。

いろいろなブログを拝見しても「こんな漢方使っているよ〜」という方がなかなかいない。それで苦しまれている様子を見ると、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)から使ってみればいいのに、と思う。とりあえず自分で調べてから使ってみたい方は、「がん 漢方」の本を買って、ドラッグストアで補中益気湯とか十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、人参養栄湯(にんじんようえいとう)などの薬を実際に買って使ってみればよろし。良さそうだとなれば、主治医にピンポイントで指定して処方してもらおう。使い分けについては以下の動画が参考になった。

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