フアイアについて調べている

中国の抗がん新薬「フアイア(Huaier)」は可能性がありそうな気がする

フアイアの副作用について

副作用(副症状)は、場合によっては作用以上に重大な問題である。例えば抗がん剤において、明らかにがん細胞の縮小に効果があったとしても、副作用が酷い場合、患者はその医療計画を恨むようになる。がん細胞の縮小は目に見えないにも関わらず、数週間に及ぶ熱発、痺れ、まひ、感覚障害、脱毛など今あるその症状に苦しめられる。これに参ってしまって体力気力を使い果たしてしまうこともある。

副作用がない薬品はある種理想的で、そうそうあるものではない。作用と引き換えに副作用を受け入れてしまっているフシがある。

さて、GUTに掲載されたフアイアの論文には、副作用についての記述がある。がんについての効果を考えるときに、その副作用も気になるところだ。

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BMJ GUTに掲載されたフアイア論文の、副作用項目

このままではわかりづらいので翻訳してみた。

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フアイアの副作用(翻訳済み)

上記どおり、フアイア服用群で明確にフアイア服用による副作用と考えられるもの(Drug related AEs)と、何もしなかったのに出たもの(Control下のAEs)で明確に差が出たのは下痢である。それも686例のうちの35例、5%であり、Control下のAEsにおける6例、1.9%と比較してわずかに多いというレベルである。

 

この医薬品由来の副作用についての考え方は、「医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス誌 2014年 vol.45 No.2」に、科学的な安全対策への転換をめざして(2)―個別の有害事象が副作用になるまで―という記事があり、それに詳しい。長くなるが引用しよう。

 医師が個別の調査票や症例報告書あるいは重篤な有害事象報告書などに記載・記入した因果関係判断の結果は,個別症例における医師による判断である.個別症例において,医薬品と有害事象の因果関係があることをほぼ確実に説明できる場合はごく限られている.当該医薬品の副作用であることが十分に知られている事象が当該患者でも発現した場合,治療対象となる患者集団において背景疾患に関連して発現することが極めて稀である場合(横紋筋融解症,スティーブンス・ジョンソン症候群[SJS],好中球減少症など;これらは歴史的に薬剤性であることが知られている重篤な副作用である),患者が今までに経験したことがない症状(水を口に含まなければ痛みを凌げないほどの口内乾燥,長く続く回転性のめまい,経験したことがない知覚過敏など)が当該医薬品の使用開始直後に現れた場合などである.

因果関係をほぼ確実に否定できる場合もまた限られている.ある医薬品投与開始後数週間で見つかった固形癌の原因がその医薬品であることは生物学的にありえないし,医薬品との因果関係を既往歴から明確に否定できる場合などである.(原文はこちら

 

フアイア服用群は1日あたり20gを3回、つまり60gという多くの量を服用しており、これでは下痢が出てもやむなしというものであろう。

副作用が軽微であれば、効果もない…? そんなことはまったくなく論文通りにフアイアの効果には有意差がある。プラセボ試験などでは、プラセボ群なのに副作用が出ることがあるのだ。

もし無再発で延命するならあなたならどちらを選ぶであろうか。