フアイアについて調べている

中国の抗がん新薬「フアイア(Huaier)」は可能性がありそうな気がする

【医療法広告違反事例】セカンドオピニオンは標準治療を否定するものではない

医療法無視の悪質サイトを発見

久々に腹立たしいサイトを見つけた。むしろ腹立たしいを通り越して呆れている。

実は先日「がん」関連のキーワードで検索していて出てきた広告がある。

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セカンドオピニオンをうたっているが…

それにより行きつくサイトが以下である。

second-opinion-munakata.com

マチュア感甚だしいサイトであるが、この御仁が作っているとは思えない。医師自ら自分の名前のあとに「医師」とはなかなかつけないだろう。どこかのクリニックに所属している一員として、若干へり下り気味に使うような場合が多いと思う。実際の医師が作ったのではなく、ブランディングのコンサル(それもプロ中のプロではない)が医療界のルールも知らずに作ったのだと思う。

Google広告から受ける第一印象は、「ネットによるセカンドオピニオンサービスの紹介」。同様の業態は数社あるが、この宗像医師のサイトは本人が顔を出している点で、その点では好感が持てる。

しかしそれ以外は誇大な説明や、肝心なところを書いていないなど、あまりにも幼稚なサイト作りなのである。はっきり言って医療法違反のオンパレード。一部については後ほど取り上げたい。

病院(クリニック)が広告できる内容とは

クリニックが集客を目的として告知できる事項は以下に限られる。

一 医師又は歯科医師である旨

二 診療科名

三 病院又は診療所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項並びに病院又は診 療所の管理者の氏名

四 診療日若しくは診療時間又は予約による診療の実施の有無

(中略)

七 当該病院又は診療所において診療に従事する医師、歯科医師、薬剤師、看護師その 他の医療従事者の氏名、年齢、性別、役職、略歴その他のこれらの者に関する事項で あつて医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大 臣が定めるもの

八 患者又はその家族からの医療に関する相談に応ずるための措置、医療の安全を確保 するための措置、個人情報の適正な取扱いを確保するための措置その他の当該病院又 は診療所の管理又は運営に関する事項

九 紹介をすることができる他の病院若しくは診療所又はその他の保健医療サービス若 しくは福祉サービスを提供する者の名称、これらの者と当該病院又は診療所との間に おける施設、設備又は器具の共同利用の状況その他の当該病院又は診療所と保健医療 サービス又は福祉サービスを提供する者との連携に関する事項

(中略)

十一 当該病院又は診療所において提供される医療の内容に関する事項(検査、手術そ の他の治療の方法については、医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資す るものとして厚生労働大臣が定めるものに限る 。(後略)

(出典:医療法 第6条の五)

極論、医師の名前、所在地、電話番号等、診療科目、診療時間、入院設備の有無ぐらいしか言えないのである。よく駅などにある病院の広告看板。あの程度が精一杯なのだ。

それは自分のサイトであっても集客を目的とする場合は同様で、最近ホームページ製作会社が「自サイトならなんでも言える」として宣伝している例があるが、全くの嘘なので注意してほしい。

宗像久男医師公式ホームページの違反内容

医療法の病院広告の考え方は時代とともにその時代に合わせたものになっている。その指針が、厚労省のお達し、すなわち「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針 (医療広告ガイドライン)」である。医療に関する発信を行うものであれば必ず目を通しておきたいものであるが、今回のクリニックではその様子が全く見られない。具体的な違反内容は下記の通り。

●トップページ

「目覚ましい結果」→誇大広告。具体的な根拠は?

「特別なガン撃退治療」→具体的には?どこで行う?自費の場合、金額の目安は?

「宗像先生」「顧問 宗像久男」→自分のクリニックなのに先生?顧問?誰がどこで治療を行う?

「新宿で面談」と書いているにも関わらず、「お越しの際は以下の住所を」とあるのは日野市。

●診療内容について

「希望が持てる」→効果の保証になりアウト

●患者様からのお声

全面的にアウト。

第3-1(5)
患者等の主観に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談
省令第1条の9第1号に規定する「患者その他の者の主観又は伝聞に基づく体験談を広告をしてはならないこと」とは、医療機関が、治療等の内容又は効果に関して、患者自身の体験や家族等からの伝聞に基づく主観的な体験談を、当該医療機関への誘引を目的として紹介することを意味するものであるが、こうした体験談については、個々の患者の状態等により当然にその感想は異なるものであり、誤認を与えるおそれがあることを踏まえ、医療に関する広告としては認められないものであること。

こういうのは都合のいい情報なのである。がん患者が1000人いれば1人くらいは何もしなくても一時的に良化したり、映像からがん腫瘍が消えたりするのである。だから何人中何人どうなったのか、きちんとしたデータを出さねばならないのである。

さらにがんの場合は5年であったり10年、15年生存率という指標も重要になる。これらの患者さんが何年生存したのか、常識的な情報はいっさいどこにも書いてないのだ。このクリニックの治療を検討される方はその辺の数字も問い合わせてみるといいだろう。

このクリニックで行われる治療とは

まったくもって診療内容不明のこの外来であるが、どんなことをするかこの患者様の声

にヒントがありそうだ。

「宗像先生の治療」「食事療法」「代替治療」「栄養を細胞に与える」「抗がん剤を途中でやめて」「自分で栄養や体を温めること」というキーワードが散見される。この医師が登場するYoutubeや書籍の内容も少し見てみたが、標準治療をやめて食事療法で時自己治癒力を高めるというものであった。それ以外に行われるだろう「特別なガン撃退治療」はまったくわからない。おそらく自費であろう。

セカンドオピニオンとは標準治療を否定するものではない

気になる表記はまだある。

末期ガンと宣告されどうすれば良いかお困りになっている方や、自己流の食事療法でうまくいかない方など患者様の困り事をすべて解決していくことを目標とするーそれが当院のセカンドオピニオンです。

セカンドオピニオンとは本来、主治医とは別に、フラットな視点で患者の状況を把握し、現在の治療法がその方にあっているかどうか意見するものである。実は、標準治療は全国どこの病院でも大きくは変わらない。セカンドオピニオンをする医師の役割は、主治医と患者の間の溝(主にコミュニケーションロスによるもの)を埋め、基本的には標準治療に理解を深めていただくようなものなのである。

それを標準治療=悪と決めつけ、患者の行なっている治療法を当初から否定し、自己流の治療を押し付けるのはまったくもって患者ファーストではないのである。

もしその治療法が有効であろうならば、学会にて症例報告を行う、試験管やマウスなどの実験、少人数によるパイロットスタディを経て臨床試験を行う、結果を発表するなど、医療界の賛同を得られるような流れにしなくてはならない。

いずれにせよ、この怪しいサイトにてセカンドオピニオンと治療を申し込む者は僅少だと思われるが注意を促したい。

このサイトは医療機関ネットパトロールにて通報しておいた。

iryoukoukoku-patroll.com

参考サイト

東京都福祉保健局「セカンドオピニオンとは」

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/smph/iryo/iryo_hoken/gan_portal/chiryou/second_opinion/about.html