フアイアについて調べている

中国の抗がん新薬「フアイア(Huaier)」は可能性がありそうな気がする

【メタ分析】早期乳がん8,578人の治療結果から見る抗がん剤の有効性

以前の記事でフアイアの肝臓がん手術後の1,000例規模研究の有意性について紹介した。96週経過後にフアイア使用群の方が10%くらい無再発生存率が高かったのである。

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フアイアの使用群と非使用群の差

「え?たった10%?」と思われるかもしれないが、医療の世界ではこれは大きな差なのだ。極論「抗がん剤もだいたいそれくらいの数字だよ」と言えるくらいの感覚である。有意差というのはそういうことである。

一つの研究を紹介したい。抗がん剤を使うと使わないでどれくらいの差があるのか、という研究発表である。もちろん癌の種類や程度、個人差によって使われる薬は異なるし、一概にはなかなか言えない。しかし、皆さんの抗がん剤に対する効果のイメージと医療の現実の差をご理解いただくために、代表的な疾患で、一例を紹介したい。

2011年12月に、著名論文査読誌「LANTIS」(インパクトファクター58!)に、早期乳がん患者合計10万人を対象にした123のランダム研究をまとめたメタ分析結果が発表された。

いくつかの結果があるが、その中の一つが、8,575人で比較した、「アントラサイクリン」という抗がん剤治療をした人と、まったく抗がん剤を使用しなかった人の10年以上の死亡率である。結論からすると以下のグラフになる

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抗がん剤を使用した時とそうでないときの乳がんの死亡率

その差はわずか5%なのである。どちらも当然他の治療法を行う。それをした上で、このアントラサイクリンという抗がん剤は5%有意差があるので、効果がありますから、抗がん剤として使用できますよ、ということになる。死なない、ということを考えればぜひ使うべきなのである。もちろん副作用は発生することを承知の上で。

免疫療法で有名なオプジーボも、それ以前の抗がん剤との比較はネット上に数多ある。検索キーワード、「オプジーボ 添付文書」をみると良い。これもせいぜい20%程度良いもので、決して「末期ガンが必ず治る夢の薬」というシロモノではない。

これからみても先ほどのフアイアの有意性は素晴らしいことになる。フアイアでも後ろ向き研究だが、乳がんの患者さんへの研究もある。そのグラフは下記の通り。

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フアイア使用群と使わなかった群の比較

フアイアには目立った副作用はない。このことからも優れた素材ではないかと考えられうるのである。

LANSETの研究論文は以下のリンクから。

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(11)61625-5/fulltext